第1章 神魔

2節 神魔とは

  1. 神と悪魔、天使と鬼の関係
  2. 神魔とは
  3. 人間と共に変化する神魔

1項について

 統合神話学においては、「神」と考えられる超存在と「魔」と考えられる超存在は、互いに関係し合っているということを前提としている。本項ではまず、キリスト教における悪魔について例を挙げ、統合神話学の目線について解説する。

 

2項について

 本項では、「神魔-symma-」とは、人・動植物以外の超自然現象を起こす生物や非現実的存在の総称として、言語的に表現したものと定義している。「sym-」と「ma」の語源の解説や、神魔の種族分類において「神」「悪魔」の表現の不適応について述べる。

 

3項について

 超存在「神魔」は、人の精神によってこの世界に権現し、人の支持率・概念で変化することを解説する。

 人に依存しない超存在がいるとするならば、その存在は、本来人間には認識することはできない。なぜならば、人間に媚をうってこの世界に権現したり人間社会を左右させようなどといった意思や興味は一切わかない超存在であるからである。つまり、「存在を認識できない」神魔が「存在しない」神魔ではないということが、統合神話学の概念の一つなのである。