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「ラプラスの悪魔」と統合神話学

~未来の因果的決定論と宇宙の時の神魔~

 「ラプラスの悪魔」は、フランスのラプラスが見つけ出した(論じた)「超越的存在(の概念)」のことで、未来について論じる(未来決定論)時に想定したものである。
 また、悪魔ではなく「ラプラスの霊」とも言われたこともあり、このことからも、純粋な意味での悪魔という言葉を使っているのではなく、超存在の意味でたまたま悪魔を使っている。
 私は、未来に限ったことではなく、時間の全てを知ることができる神魔と考えられた。

 

 その理由をより詳しく紹介していく。


 未来について論じる決定論の一種「因果的決定論」でいわれる「未来がわかる」というのは、宇宙の全ての原子の動きや性質がわかれば、それ以降の未来の動きがわかる、ということである。
 宇宙の原子がある時からの未来がわかると捉えられる。宇宙の原子から見れば、人間の過去といわれる時代も「未来」なる。この考察から、未来に精通した神魔というよりも「時に精通した神魔」というほうがより事が言える。

 

 「因果的決定論」とは、ある特定の宇宙の全てを原子レベルで運動状態が明かになれば、過去の事象だけではなくこれから起こる事象もカンペキに計算することが可能になるという考えである。
 そして、そのようなことができるのは、「各瞬間の全原子の動きと性質を知り、それらのデータを収集し解析するほどの知性」のみであるとし、もしそのようなものが存在するならばと想定した場合、それは「ラプラスの悪魔」である、というようになったのである。

 

 私が考えるに、「ラプラスの悪魔」とは「時神クロネス(クロノス)」の事であると思う。
 時神クロネスは、全ての世界に存在するが、流れは全て違うものである「時」の原初神。混沌界で、原子が動き出す現象(ビッグバン)により宇宙が誕生した瞬間から時の概念が誕生し動き出したとされる。
 我々が生きる宇宙の時間が開始したタイミングと、ラプラスの悪魔が予測できる範囲(原子の動きの計算ができる頃から=原子が動き出した頃から)が同じであることに、私は気が付いた。
 ラプラスが想定した超存在は、時の原初神クロネス(クロノス神或いはキリスト教におけるタイムファーザー)という神魔なのかもしれない。

 

<豆知識:真空、原子の摩擦、温度・熱、絶対零度>

 豆知識でいうと、温度というものは、空中の原子の摩擦で起こるという。原子の運動が激しければ激しいほど、摩擦の力がまし高温になる。

 たとえマイナス6℃などでも、摩擦で温度が上がっている状態である。原子がほとんど摩擦していない状態を「真空」とよび、その状態の温度は「-273℃(絶対零度)」という。つまり、-273より高い温度は全て、摩擦により熱を発している、ということになる。

 また、完全に摩擦していない状態は現時点では存在していなく「零点振動」をしているとされている。人工的にはそれに限りなく近い状態まで起こすことはできるが、完全に原子の停滞した状態を作れるわけではないらしい。
 真空には温度があるのかというといくらかの議論がなされてはいるらしいが、この状態のことを温度は「ない」と同等と捉える、のか、温度は「ある」が限りなく絶対零度に近い、なのか、絶対零度という温度が「ある」と捉える、のか、その主張も様々あるようだ。